
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る公文書の開示が3日、新たに始まった。今回で6回目となる開示は、約2万8000ページにも及ぶ膨大な資料が対象となっている。過去の開示では財務省本省と現場の生々しいやり取りが露呈しており、今回も改ざんの指示系統や経緯がどこまで解明されるかが最大の焦点だ。当時の佐川宣寿・理財局長の関与を裏付ける新たな証拠が含まれているか、社会的な注目が集まっている。
前回の第5回開示では、2017年3月9日の未明に理財局職員から近畿財務局へ送られたメールが大きな波紋を呼んだ。このメールには、決裁文書の書き換え案が添付されており、土地売却前の貸し付け経緯が丸ごと削除されるなどの指示が含まれていた。当時の理財局長だった佐川宣寿氏の意向が反映された「局長説明後」という文言もあり、改ざんの具体的なデータとして認定されている。財務省が18年に公表した調査報告書の内容を、裏側から補完する資料といえる。
報告書によれば、2017年3月初旬に国会議員が資料提出を求めた直後から、理財局内で文書の「書き換え」の協議が加速したとされる。近畿財務局に対しては、具体的な修正内容として「2億や3億のくだり削除」といった指示が飛んでいたことも判明している。担当職員が森友学園との取引を「非常に特殊」と記した文書も存在しており、特例的な対応が積み重ねられていた実態が浮き彫りになった。組織的な隠蔽工作がどのように行われたのか、その全容解明が待たれる。
一連の開示文書からは、本省の強引な指示に対する現場職員の苦悩や抵抗の跡も読み取れる。一部の文書には、改ざんについて「指示通りにはできません」という現場の「抗議」とも取れる文言が残されていた。また、財務省内部からも「不開示理由が不明瞭で脆弱」といった異論が出ていたことが、これまでの開示で明らかになっている。本来は国民に説明責任を果たすべき官僚機構が、検察や会計検査院の追及を逃れるために取り繕う姿が如実に示された格好だ。
今回の第6回開示により、改ざんに至る意思決定のプロセスがさらに精緻に裏付けられる可能性がある。約2.8万ページという分量は、これまでの疑念を解く鍵となるのか、それとも新たな疑惑を生むのか予断を許さない。財務省は一貫して調査報告書で幕引きを図ってきたが、開示された生データは常にそれを上回る事実を突きつけてきた。行政の透明性と信頼回復に向け、今回公開された文書の精査が今後本格化することになる。
No Comments