
朝日放送テレビ(ABCテレビ)が制作したドキュメンタリー2作品が、ドイツで開催された国際コンペティション「ワールドメディアフェスティバル」において、ドキュメンタリー部門の金賞を同時受賞した。同局にとって初の金賞受賞であり、一挙にダブル受賞という快挙を達成した。
受賞したのは、阪神・淡路大震災をテーマにした『絵がつなぐ いのち尊し』と、2005年のJR福知山線脱線事故を取り上げた『見えない傷あと 〜JR脱線事故20年〜』の2作品である。
両作品に共通するのは、震災や事故を生き延びた人々の”その後の人生”に深く寄り添った点にある。特に『見えない傷あと』では、事故から20年が経過した今も消えない心の傷と向き合う生存者の声を丁寧に紡ぎ出している。
『絵がつなぐ いのち尊し』は、震災で親を失った子供たちが描く絵を軸に、命の尊さと記憶の継承を描いた意欲作である。審査員からは、その静かでありながら力強いメッセージ性が国際的な観点から高く評価された。
世界的なメディアの祭典での今回の快挙は、日本のローカル局が長年にわたり培ってきた、地域に根差したドキュメンタリー制作の姿勢が国際水準に達したことを示すものと言える。ABCテレビはこの評価を励みに、今後も人間の営みを描く番組制作に注力していく方針だ。