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米ニューヨーク州のホークル知事は7月14日、消費電力が50メガワット以上の大規模データセンターについて、州内の建設許可手続きを1年間凍結する命令に署名したことが話題になった。あわせて、これまで大規模データセンターに適用してきた売上税の免除特例を廃止する州法の成立も目指すという。
背景には、データセンターが膨大な電力を消費し、光熱費高騰を招く懸念や、冷却水を大量に必要とすることで水資源への負荷が増す問題がある。全米の州として初めての措置だという。
同様の動きは欧州にもある。オランダでは大型データセンターの建設をめぐり、住民や農業団体との激しい対立が生じた。気候変動で水不足が深刻化する中、数万世帯分の飲料水に匹敵する量の水道水をデータセンターに奪われれば、飲料水はもちろん、農作物を育てるための灌漑用水が枯渇しかねない。農業・園芸団体は、限られた土地と水資源は農業に使うべきだと新規の建設許可取り消しを求めて法廷闘争を展開した。これを受けてオランダ政府は2022年、巨大データセンターの建設を一時的に制限した。
このため、ある世界的な企業は、雨水をためる施設を併設し、冷却に用いた上で、余った雨水を灌漑用水として地域に還元するという、水道水に頼らないデータセンターの建設アイデアを示した。
日本でも、大型データセンターの建設をめぐる地域住民との摩擦が増加している。特に顕著なのは、都心の商業地や郊外の住宅地に建設されることへの反発である。
一つには騒音問題がある。データセンターは大量のサーバーを冷やす必要があり、大型室外機を大量に設置する。施設は24時間365日稼働しているため、冷却ファンが発生させる重低音や低周波音が、近隣住民の睡眠妨害や体調不良を招くリスクがあるという。
データセンターはAI時代の社会基盤として急速に増えているが、その立地をどう規制し、地域とどう共存するのか。米国や欧州の先行例は、日本にとっても重要な示唆を与えている。