RAV4 PHEV試乗:PHEVがEVより高級になり得ることを証明した新型

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Kenji Watanabe
自動車 - 11 6月 2026

PHEVの性能を語る上で、EVモードの自律走行距離はよく取り沙汰されるスペックのひとつだ。WLTCモードで151kmと聞くと、日本なら北海道の一部を除き、隣街どころか向こう隣りの街まで範囲内に収まるのではないか。

トヨタ『RAV4 PHEV』の「GRスポーツ」と「Zグレード」の2車種を試乗した。

都内の短い試乗ルートという限られた条件下ながら、エンジンの出番がほとんど無いほどの電気の猛烈な仕事ぶりが強烈に印象に残った。もっと言えば、トータルで知能化されたパワートレインの「賢さ」だ。

もちろん必要に応じて2.5リットルダイナミックフォースエンジンが目覚めるが、バッテリー容量や出力を増した電気モードでの走行はひと回り以上力強くなっている。A25A-FXSという型式こそ同じながらシリンダーブロックごと別物のエンジンが作動・停止する過渡期特性は驚くほど滑らかで静かで、ドライバーに意識させないレベルにまで磨き上げられている。

要は、ただトルクやパワーを積み増して制御が賢くなったという話ではない。ギアの噛み合いレベルまでメカニカル面でもカイゼンを追求し、全方位で刷新された。どこから説明したらいいのか迷うほどだ。ハンドリングやシャシーも素晴らしく進化している。

HEVも同様だが、6世代目RAV4 PHEVは5世代目から全長4600×全幅1855×全高1860mmの外寸を継承している。2690mmのホイールベースも同じでパッケージングは不動に見えるが、中身は別物だ。パワートレインシステムもレイアウトも細かに異なる。

重要な点は3つ。まずPCUを低背化し、従来リアシート下にあったDC/DCコンバーターを一体化。エンジン上に載せたTHS II自体が最新世代でコンパクト化され、軽く低くなった。ボンネットラインは下げられ、パワートレインは18%軽く重心は15%低下。充電器スペースを確保し急速充電に対応、空力と歩行者保護も改善。パワー半導体にSiCを採用し電気損失を約70%削減している。

2つ目は伝達周り。eアクスルは体積15%減を達成し、トランスアクスルと一体化。ギアや軸受け構造を見直し、噛み合いや伝達効率を改善しつつ4ベアリングから3ベアリング化して摩擦を軽減。小型化と高効率化を同時に実現している。

3つ目はリチウムイオンバッテリー。EV用セルをベースにPHEV用新構成とし、従来フロア下に縦置き96セル・49Ahだったものを横置き104セル・58Ahに。容量や出力が増し、バッテリーパック自体の剛性も1.5倍に高められている。

パワーユニット自体にも手が入れられた。電気モーターはステーター内の動線密度を増やし、ローター側のマグネット配置を磁界線に近づけて出力密度を約20%向上。フロントモーターは旧134kW/270Nmから新151.4kW/272Nmに、リアモーターは旧40kW/121Nmから新40.7kW/123Nmと控えめな向上。2.5リットルエンジンはシリンダーブロックの結合側に補強と締結ポイントを設け、連結剛性を高めてノイズや振動を抑制している。

加えてモーターの冷却とトランスアクスルの潤滑回路は統合され、ローターに直接オイルをかける油冷方式はTHS初採用。バッテリーやAC&DCチャージャーは水冷式で、パワートレイン・バッテリー・エアコンの各回路を4ウェイバルブで管理するサーマルマネージメントシステムを備える。各ユニット統合は高圧ケーブル削減にもつながり、銅線使用量は20%減、パワートレイン全体の重量は2%軽量化。バッテリー容量は2割近く増しているにも関わらず。

乾いた雑巾を絞るように質量もコストも突き詰めた様子がうかがえるが、驚くべきは新しいパワトレのポテンシャルから効率を絞り出す運用、つまり制御だ。開発陣によればパワートレイン全体の損失は前世代より35%抑えられており、その高効率化をベースにWLTCモードで151kmの走行レンジを確保したという。

今回は水道橋からお台場への往路で「GRスポーツ」に、復路で「Z」に試乗したが、ベースとして後者の印象から語りたい。

外装は「アヴァンギャルドブロンズメタリック」と名づけられたベージュゴールド気味のオプションボディ色に、ピアノブラックの艶ありホイールアーチや前後バンパーが組み合わされている。内装は前席シートがHEVのZグレードよりスポーティなプリウス共通形状で、グレーの起毛素材×人工皮革コンビに青いパイピングが走る。

肩周りまで包み込み感のあるサポート性は、HEVの大らかなホールド感と明確に違い、ワイワイ系のあちらに対しドライバーズカー寄りのPHEVというキャラクターの違いを示す。「アイランドコクピット」と呼ばれる物理スイッチ集中型のセンターコンソール周りに、指先ちょいちょい式の小さなスティックでDレンジに入れ走り出す。

ふたつ目の赤信号までは確かに「EVモード」で走っていた。ひと昔前の電気によるゼロ発進時にありがちな急激なトルク立ち上がりは巧みに抑えられているのに、加速感はEVさながらでグイグイとリニアに伸びる。交通の流れを楽々リードする力強さだ。

ところが「HVモード」に切り替え、オルガン式アクセルペダルを強く踏み込んでもエンジンがなかなか目覚めない。都内を走る程度の速度域ならほぼ100%電気駆動力だけで済む。首都高の合流路もよほど右足を込めない限りモーターだけで余裕だ。室内の静粛性の高さにも驚かされる。さらに負荷をかけてトルクを求めるとリアモーター付近からキーンという高周波音が聞こえ、無振動でエンジンが仕事を引き継ぐ。エンジン回転数が低く保たれるため静粛性の質が持続する。

もちろんE-FOURによる4駆なので氷雪路や悪路では対角線上に駆動力を配分する制御をするが、日常域を走っている間でも統合制御の破綻の無さは交響楽的だ。

RAV4 PHEVはトヨタ初のSDVモデルとしてソフトウェア開発プラットフォーム「アリーン(Arene)」を搭載し、OTAアップデートも可能。これほどエンジンの存在感が希薄なPHEVの制御と走りは経験したことがない。

かといってそれは欧州メーカーが示してきたような「純BEVへの橋渡しのためのPHEV」ではない。統合制御すべきパーツ点数が多く、ICEとモーターという2WAYの動力源が保証された高度なシステムであり、急速充電も可能だが、してもしなくても走り続けられるレンジの長さは時間の使い方の自由さでもある。だからこそPHEVはBEVよりも高級モデルとして成立しうると、トヨタの開発エンジニアたちは異口同音に述べる。

実際、RAV4 PHEVのZグレードはシャシー能力やハンドリングといった動的質感でも及第点を超えたポテンシャルを見せつける。車両重量1980kgと2トンギリギリだが、突っ張り感のない乗り心地はサスペンション設定だけでなくフロア剛性の高さと高減衰接着剤の効きによるものだろう。国産のDセグに近いCセグひいては電動車離れしたしなやかさすら感じさせる。

もう一台のGRスポーツにも触れておこう。「エモーショナルレッドII」のオプション外装色に、Zと同じ艶ありブラックのトリム。専用フロントバンパー&グリル、リップスポイラー、リアウイングスポイラーやディフューザーで武装。内装はスポーツシートの形状はZと同じだが、地色ブラックにレッドのパイピングで、ドライバーズシートは除電機能付き。ペダルもアルミプレート張り。ラゲッジマットは毛足が長いタイプだ。

本命メニューは下山テストコースで匠ドライバーにより設定されたGRスポーツ専用チューニングのサスペンション。専用ダンパーに加え、コイルスプリングレートがZ比でフロント+25%、リア+24%増し、トレッドも前後それぞれ+25mmと+20mm拡大。リアのダブルウィッシュボーンサスのメンバーは閉じ断面化でねじり剛性を向上。フロント側にはボディのねじれや振動を減衰するパフォーマンスダンパーも備える。

走り出してみると、確かに引き締まった脚であることは即感じられるが、微低速の初期からよく動くダンパーで、Zで感じられた乗り心地のしなやかさが損なわれていない。しかしコーナリングでは微妙な違いがある。GRスポーツはステアリングの切り始めから中立付近で減衰力が立ち上がり、路面情報を手元に伝える。速度域に比例して手応えが増す質のいいプログレッシブ特性だ。

GRスポーツの動的質感をさらに高めるのはバイワイヤのブレーキペダルのタッチだ。足まわりの荷重コントロールのしやすさゆえ、制動力を抜く際の姿勢の作りやすさが特に印象に残った。販売台数の5台に1台がPHEVで、PHEVの5台中4台はGRスポーツだそうで、トヨタの想定以上にGRスポーツが強い状況とのこと。

しかし、完成度の高さゆえの弱点も見える。スポーティ・エレガントな都会派SUVとして、走りがパワフルで乗り心地よく静かなため、同じ2.5リットルエンジンのPHEVとして『ハリアー』や『クラウンスポーツ』に対して下剋上の気がもたげる。

もちろんリアルレザーを含む内装トリムの仕上げや質感など差別化ポイントは多々ある。他社競合の三菱『アウトランダーPHEV』が2.4リットル、マツダ『CX-60 PHEV』が2.5リットルエンジンであることも前提だ。しかしモーターの仕事ぶりがあれだけ優秀でエンジンの存在感はアクセサリー的でもあるからこそ、排気量を思い切って下げる選択肢もありえたのではないか? するとさらにストローク感があって元気なシャシーも期待できそうだ。

今は排気量で車格を語る時代ではないが、600万円超の車両価格を正当化するにはまだ排気量とカンロクが求められる矛盾もある。だからこそRAV4 PHEVには、重量感よりも軽快でカジュアル、かつソバーキュリアスな電動SUVであって欲しい。

※ソバーキュリアスとは、あえてお酒を飲まないという選択をする概念やライフスタイルのこと。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、Response.jpの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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