MIAMI, FLORIDA – MAY 22: The FIFA World Cup 2026 logo is seen covering the Hard Rock Stadium signage on the exterior of the stadium at Miami Stadium on May 22, 2026 in Miami, Florida. (Photo by Leonardo Fernandez/Getty Images)開幕まで1年を切った2026年北中米ワールドカップで、歴史的な審判が登板目前にして出場不可能となる異例の事態が起きた。ソマリア人として初めてW杯の笛を吹く予定だったオマル・アルタン氏が、アメリカへの入国を拒否されたのである。イギリス公共放送『BBC』が8日に報じたところによると、アルタン氏はマイアミ国際空港で入国管理局に足止めされ、そのまま強制送還されたという。
アルタン氏は2025年、アフリカサッカー連盟(CAF)が選ぶ男子年間最優秀審判員に輝いた実力者。ソマリア出身者はW杯審判団に加わった前例がなく、彼の抜擢はアフリカサッカー界にとっても大きなニュースだった。しかし、その夢は政治の壁に阻まれたかたちだ。祖国ソマリアはドナルド・トランプ大統領が打ち出した渡航禁止措置の対象国の一つ。入国管理局は今回の判断の具体的な理由を明らかにしていない。
国際サッカー連盟(FIFA)はこの事態を受け、声明を発表。アルタン氏を審判員リストから外すとともに、「ビザの審査を含む入国手続きにFIFAは関与しておらず、最終的な判断は開催国政府が行う」と説明した。これまでのFIFA主催大会でも同様の扱いであり、当局からはアルタン氏のステータスが現時点で変更されていないとの連絡を受けているという。
ソマリアサッカー連盟(SFF)はこれに対して強い懸念を示し、FIFAに対して緊急の声明を求める姿勢を見せている。「なぜ審判が入国を拒否されなければならないのか」という疑問は当然だろう。一方で、アメリカ側は移民・入国管理の厳格化を進めており、今回はその波が国際スポーツの現場にまで及んだ格好だ。
実はこれに先立ち、イラク代表FWアイメン・フセインがシカゴのオヘア国際空港で長時間の尋問を受け、同国代表のカメラマンが入国を拒否される事件も起きている。開幕まであと1年を切ったW杯を前に、開催国アメリカの厳しい入国管理体制がサッカー界に影を落とし始めている。各国の代表選手やスタッフがスムーズに米国入りできるのか――関係者の間では早くも不安の声が聞こえ始めている。