
遠藤まきさん(40代)は、会社員として働きながらも「会社員だけの生活は『心が死ぬ』とわかってた」と振り返る。そんな彼女が頼ったのが、ネットワークビジネスを謳う起業塾だった。しかし、その選択は結果的に1800万円という大金を失うことにつながる。
彼女がそのビジネスにのめり込んだ背景には、強い孤独感と「居場所」への渇望があった。塾の主催者は巧みに「あなたは特別だ」と囁き、閉じたコミュニティの中で徐々に洗脳していった。遠藤さんは「辞めたいと思うたびに、仲間を裏切ることへの罪悪感に苛まれた」と語る。
1800万円という金額は、彼女の全財産に近かった。それでも彼女はなぜ辞められなかったのか。それは、そのコミュニティが彼女にとって初めての「本当の居場所」に思えたからだ。会社員時代には得られなかった承認とつながりが、そこには確かにあった。
しかし、やがてビジネスの実態に気づき、彼女は脱退を決意する。失ったものは大きいが、遠藤さんは「「バカなことはしたけど後悔はない」」と断言する。その理由は、この経験を通じて自分自身と向き合うきっかけを得たからだという。
遠藤さんの経験は、現代社会における孤独と疑似コミュニティの危うさを浮き彫りにする。「会社員だけの生活では満たされない」という声を聞くたびに、私たちは本当のつながりとは何かを問い直さざるを得ない。この事例は、安易なコミュニティビジネスに飛び込む前に、自分自身の内面と向き合う重要性を教えている。
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