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高級時計ブランドのオメガのアイコン的モデル「コンステレーション」が、金の地金として溶かされる事例が相次いでいる。中古市場では高値で取引されるはずの名品が、金相場の高騰とともに貴金属としての価値に還元され、その姿を消しているのだ。
この現象はオメガだけにとどまらない。ロレックスやパテック・フィリップなど、伝統的に金ケースを用いてきた高級時計の中古モデルが、金価格の上昇に伴い溶解の危機に瀕している。専門家は「高級時計がラグジュアリーの象徴から単なる金資産へと変貌しつつある」と警鐘を鳴らす。
溶解される時計の多くは、製造から数十年が経過したビンテージ品だ。特にオメガのコンステレーションシリーズは1950年代から生産され、18金ケースのモデルが多数存在する。これらの時計は、デザインやムーブメントの価値よりも、金の含有量が重視されるケースが増えている。
金の国際価格は2020年以降、約50%上昇。1トロイオンス(約31g)あたり2000ドルを超える水準で推移している。この価格高騰が「金の延べ棒よりも、時計として流通している金を溶解する方が安価」という逆転現象を生み出し、収益目的の溶解業者を増加させている。
時計愛好家の間では、コレクションの保護を目的とした運動も始まっている。しかし溶解は非公開で行われることが多く、実際の被害規模は不明だ。業界関係者は「銘品が失われる前に、ブランドや販売店が買い取りや保護策を強化すべきだ」と指摘しており、高級時計の文化的価値と経済的価値のバランスが問われている。