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奈良時代に宮殿や役所が集まっていた平城宮跡(奈良市)の東側に位置する法華寺は、聖武天皇の后・光明皇后が創建した寺院である。東大寺と対をなす総国分尼寺として、格式高い尼寺の総本山的役割を担ってきた。
光明皇后は社会福祉事業に力を注ぎ、特に「からふろ」と呼ばれる入浴施設を設けて、千人もの貧しい人々や病人を癒したと伝えられる。この「いにしえのサウナ」は、皇后の慈悲深い心を象徴するものとして今日まで語り継がれている。
法華寺では、光明皇后の精神を継承し、地域に開かれた活動や福祉事業を現代も続けている。尼僧たちは皇后の遺徳を胸に、檀家や地域住民との絆を大切にしながら寺運を支えてきた。
しかし近年、少子高齢化や寺院離れの影響で、財政面や後継者不足など厳しい環境に直面している。それでも法華寺の尼僧たちは、歴史ある伽藍や文化財を守り抜く決意を新たにしている。
光明皇后の「千人を癒したこころ」は、時代を超えて法華寺に息づく。厳しい社会情勢の中でも、尼僧たちは皇后の精神を指針に、境内で祈りと奉仕の日々を続けている。