
宮崎県最南端の都井岬は、幻の在来馬「御崎馬」が悠々と暮らす貴重な生息地だ。新緑の岬に広がる草原では、馬たちがのんびりと草を食み、訪れる人々に癒しを与えている。
この地はかつて新婚旅行の聖地として知られ、バブル経済期には多くの大型ホテルが建設された。当時は新婚カップルで賑わい、観光の中心地として栄えた。
しかしバブル崩壊後、それらのホテルは次々と閉鎖され、今では廃墟となって岬に眠っている。コンクリートの骨組みだけが残る建物が点在し、バブル遺産として異様な景観を創り出している。
一方、御崎馬は国の天然記念物に指定され、地元の保護団体が繁殖や餌やりを管理している。観光客は馬との触れ合いを楽しみつつ、廃ホテル群の歴史を学ぶツアーも人気だ。
春にはかわいらしい子馬が誕生する。廃墟の陰に咲く花のように、生命の営みは静かに続いている。時代の移ろいと自然の営みが交錯する都井岬は、観光と保護の新たな可能性を模索している。