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スポーツ触媒は、排気効率を高めてパワーやトルクだけでなくアクセルレスポンスも向上させる、定番のチューニングパーツです。
排気効率の向上はパワーやトルクアップだけでなく、アクセルレスポンスの向上にも効果的です。反応が良くなると車はキビキビと気持ちよく動き、車体が軽くなったように感じられます。そこでおすすめしたいのがスポーツ触媒の導入です。最近ではマフラー交換以上に体感できるケースもあり、スポーツ触媒への交換はスタンダードなチューニングになりつつあります。
エンジンが吸入した混合気を燃焼させて排ガスを排出する際、大きな抵抗になりやすいのが触媒装置です。これは環境保護のために装着されており、排ガスを浄化しています。以前はフロア下に取り付けられることが多かったのですが、触媒は適正温度にならないときちんと効果を発揮できません。そのためフロア下では排気温度が下がりやすく、エンジン始動後すぐには温度が上がらず、効果を発揮するまでに時間がかかっていました。
そこで近年の車は、エンジン始動直後から排ガス浄化性能を発揮しやすいよう、エンジンのすぐ近くに触媒が置かれています。このレイアウトにより、フロア下に触媒があった頃に比べて排気抵抗になりやすくなりました。エキマニと触媒が一体化していたり、ターボ車ではタービンの出口からそのまま触媒に接続されている場合もあります。
エンジンに近い部分に触媒が置かれるようになったことで、スポーツ触媒化によるレスポンスアップや高回転域の伸びを体感しやすくなったとも言えます。
純正触媒の内部はセラミック製の細かい網目状の構造になっており、そこにプラチナやパラジウムなどの貴金属をコーティングすることで有害物質を浄化しています。一般的な純正触媒は1平方インチあたり400~600セルという非常に緻密な網目を持っています。これは浄化性能に優れる一方、排ガスにとっては細かいフィルターを通り抜けるようなものであり、大きな圧力損失を招きます。
一方、スポーツ触媒では150~300セル程度と網目を粗く設計しています。しかし、使われる貴金属や内部構造を見直すことで排気抵抗を抑えつつ、製品によっては保安基準を満たせる浄化性能を確保しています。比較軸を整理すると次のようになります。
純正触媒は浄化性能と静粛性を重視しやすいのに対し、スポーツ触媒は排気効率とレスポンスを重視しやすいです。セル数が少ないほど排気抵抗は減りやすいですが、製品選びと適合確認が重要です。車検対応品か、排ガス試験成績書が付属するかも必ず確認しましょう。
スポーツ触媒への交換がもたらす最大のメリットは、全回転域にわたる出力特性の向上です。マフラーに比べてエンジンから近い部分の排気抵抗が抑えられるとその効果は大きくなります。出力アップと同時にアクセルレスポンスが大きく向上し、シャシダイによる計測値以上に体感で速くなったと感じることもあります。これはアクセルレスポンスの良さによる恩恵と言えるでしょう。
また、ターボ車では過給レスポンスの良さも特徴です。ターボ車は排ガスでタービンを回してエンジンに空気を押し込んでいます。このときに重要になるのがタービン後の排気抵抗です。ここが詰まっているとタービンがスムーズに回りにくくなります。
タービン後の排気抵抗が少なくなるとタービンが回りやすくなるため、低速域からのブーストの立ち上がりが鋭くなります。さらに排気圧力が抜けることで高回転域でブーストが垂れにくくなり、高回転のパワーも伸びるようになります。
スポーツ触媒はメリットの大きいチューニングですが、注意点もあります。まず重要なのは車検対応品を選ぶことです。スポーツ触媒といってもすべてが公道で使えるわけではないため、保安基準適合品か排ガス試験成績書の有無を確認しましょう。
また、排気効率が変わると特に最新の車両では車の状態を厳密に監視しているため、触媒劣化と判断されてチェックランプが点灯したり、補正が入ってパワーが制限されたりすることもあります。そういったトラブルを防ぐためにもECUチューンと合わせて行うことが推奨されます。スポーツ触媒のメーカーによってはECUチューンを必須としている場合もあるので注意が必要です。注意すべきポイントは次の通りです。
車検対応品かどうかを確認する。排ガス試験成績書など必要書類の有無を確認する。チェックランプ対策としてECUチューンの必要性を確認する。排気温度や周辺部品への熱影響にも注意する。音量や排気臭の変化が出る場合もあるためショップで相談する。
コスト的にはスポーツ触媒で10~20万円前後、ECUで10万~15万円ほどと決して安くはありませんが、その費用対効果は大きいです。排気音を変えたいならマフラー交換も魅力的ですが、走りの変化を重視するならエンジンに近いスポーツ触媒の効果は大きいと言えます。
また、スポーツ触媒後のマフラーもアフターパーツにして排気抵抗を抑えるのが望ましいですが、あえてノーマルマフラーに組み合わせる手もあります。エンジンに近い部分の排気抵抗を減らすことでパワーアップは得られつつ、排気音量はあまり変わらないため、静かな排気音が好みという人には人気の手法です。
マフラー交換は音質や見た目の変化を楽しみやすく、スポーツ触媒はレスポンスや出力特性の変化を狙いやすいです。どちらを優先するかは求める効果によって変わります。そういった楽しみ方もあるのがスポーツ触媒チューンです。