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Please do not reproduce without prior permission.日本代表がワールドカップで大きな飛躍を目指す中、迎えた第2戦のチュニジア戦は、まさに正念場だった。初戦のオランダ戦を2-2の引き分けで切り抜け、勝ち点1を確保したものの、同日オランダがスウェーデンに5-1で快勝し首位に立ったことで、この一戦は絶対に落とせないものとなっていた。鬼門と位置づけられた試合で、森保一監督は大胆な手を打った。
久保建英の負傷で一つ空いたシャドーのポジションに鎌田大地を入れ、さらにボランチには田中碧を抜擢。佐野海舟とのコンビを組ませるという、思い切った采配だった。第2次森保ジャパンでは、これまでボランチの控えに甘んじてきた田中。開幕直前にキャプテンの遠藤航が左足首負傷で離脱したことで、本職のボランチは3枚と重要性が増していたが、鎌田と佐野のコンビが定着しつつあり、田中が割って入るのは容易ではなかった。指揮官も背番号7の組み込み方を模索していた中で、公式戦で試す好機が訪れたのは、ポジティブな材料だった。
試合開始早々の3分、田中はその存在を強烈に印象づけた。右センターバックの冨安健洋から鎌田、上田綺世とボールが渡った瞬間、ハーフウェーライン手前から猛然と前線に飛び込む。ペナルティエリア付近で上田からパスを受けると、左の中村敬斗に展開。中村のドリブルからマイナスのクロスに鎌田が飛び込み、先制点が生まれた。田中自身は「下からつなぐ理想的な形。飛び出して数的優位を作り、チームとして崩せたのは良かった」と振り返る。迷いのないロングランが生んだゴールは、彼の価値を示すには十分だった。
その後も田中は最終ラインに下がってビルドアップに参加し、攻撃の起点を作る技術の高さを見せた。特に球際の激しさとボール奪取能力は、プレミアリーグで磨かれたものだ。鎌田、中村との連係でボールロスト後の即時奪回が際立ち、相手の攻撃の芽を何度も摘んだ。「前回W杯との違いは、4年間自分がやってきたものがあること。どの相手だろうが関係なく、自分ができることにベストを尽くせばどこでもできるという自信がある」と田中。その言葉通り、チュニジア戦で見せた守備強度と推進力は、まさに世界最高峰リーグ仕込みだった。
象徴的だったのは、伊東純也の3点目につながる上田への鋭い縦パスだ。「前半は相手が閉じていて刺せなかったが、後半は空くと思った。綺世がうまく流してくれた」と同い年のエースに敬意を表した。田中がボランチに入ることで、よりダイナミックな前への推進力が生まれる。これに佐野海舟のデュエルの強さが融合すれば、鎌田・佐野のコンビとは一味違う色合いをチームに与えられるのは間違いない。
4-0という歴史的な圧勝の中で、田中自身と森保監督が得た収穫は大きい。「ベンチの選手が競争をなくしてはチームとしてよくない。出たときに何ができるかを示すのが一番大事。今回は勝ちに貢献できた」と安堵をにじませながら、田中はスタメンへの布石を打った。負傷で離脱した盟友・三笘薫の分まで戦う覚悟を胸に、背番号7が躍進の原動力となるか。ここからの本領発揮に期待がかかる。