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イランと米国の戦闘開始からまもなく5カ月が経過した。ホルムズ海峡を封鎖し、日本を含む世界のエネルギー需給に深刻な打撃を与えたイランは、今後どのような戦略で臨むのか。イラン情勢に詳しい日本エネルギー経済研究所の坂梨祥氏に聞いた。通常の紙面ではあまり紹介できない国民性なども含め、4回に分けて掲載する。
「守り切れるかは分からないが、イランとしては維持しなければいけないと考えていると思う。6月中旬にイランが米国と署名した戦闘終結に関する『覚書』には、在外イラン資産の凍結解除やイラン産原油の輸出再開などが盛り込まれたが、米国は凍結を解除しておらず、原油輸出の再開も撤回した。イランの指導部は、これらのことを米国に実行させるテコは、もはやホルムズ海峡(の支配)しか残っておらず、手放せないと考えていると思う」
《ホルムズ海峡は戦闘前、世界の原油・天然ガスの取引量の約20%が通過していた。イランの在外凍結資産は1000億ドル(約16兆円)以上とも報じられる》
――イランの軍事組織、革命防衛隊の幹部は米国との交渉に消極的で、ガリバフ国会議長ら交渉チームと対立しているとも伝えられる。実態をどうみるか。
「役割分担をしていると思う。ライシ前大統領の政権(2021~24年)のころから、イランの外相は『外交と戦場を共に活用して利益を実現する』と言っていた。外交を担うのは文民、戦場を担うのは軍部で、その中心は革命防衛隊だ。両者に共通する目標はイスラム共和国体制(1979年の革命で成立したシーア派法学者による統治体制)の維持だ。軍部は今回、体制存続のために負けない戦いを展開する必要があった。これから先は文民が勝ち取るべきものを得る、ということであったと思う」