
包括的核実験禁止条約(CTBT)機構準備委員会のフロイド事務局長は29日、米露が核実験を実施すると示唆する状況を念頭に懸念を示した。記者会見は核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれている米ニューヨークの国連本部で行われた。
フロイド氏は特に、1カ国が核実験を実施すれば他の核保有国も踏み切る「連鎖」が発生する危険性を強調した。
しかしCTBTは、米国や中国が批准しておらず、ロシアも2023年に批准を撤回したため、未だ発効していない。
この状況についてフロイド氏は、米露中のいずれかが単独で批准を決断するのは考えづらいとし、「共同で批准する道筋を見いだすべきだ」と述べた。
NPT再検討会議が過去2回連続で失敗した最終文書採択については、フロイド氏は「国家間で見解が異なる論点が多い」と指摘。その上で「条約の本質」に関わる内容に限定した短い文書に各国が合意することに期待を示した。