
JR九州の株式売り出し価格は仮条件の上限で決まり、収益源である駅ビル・不動産事業や九州でのブランド力に対する投資家の期待の高さがうかがえる。同社は株主優待制度を新設するなど、個人投資家の開拓に力を入れている。
株式を扱う証券会社は9月下旬、東京や大阪、九州各県で合計10回の投資家説明会を開催し、約700人が参加した。東京会場にいた男性会社員(34)は「地方都市の中で福岡は勢いがあるし、駅ビル・不動産事業に期待が持てる」と関心を示した。
国内の証券関係者は「電鉄株というよりは不動産株という評価。配当利回りもある程度あり、中長期で保有したい投資家は多いのでは」との見方を示している。
投資金額を抑えるため、JR九州は8月に株式分割を実施。証券会社を通じて申し込み、抽選に当たれば最低投資金額は26万円(売買単位の100株×売り出し価格の2600円)と、個人投資家にも手が届きやすい水準になった。
また、上場に合わせて株主優待制度を新設。運賃や特急料金を半額にするほか、系列ホテルの宿泊料などを大幅に割り引く優待券を発行する。株主優待に詳しい市場関係者は「既に上場している本州3社と遜色のない内容」と指摘する。
今後の焦点は初値など上場後の株価だ。平成5〜9年に上場した本州3社はいずれも初値が売り出し価格を上回った。市場では「JR九州の初値も売り出し価格を5〜20%上回るだろう」との声がある。(森田晶宏)