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高学歴でありながら社会のレールから外れ、誰にも言えない困窮に喘ぐ人々がいる。知られざるその実態をリアルに描いたドキュメンタリーコミック『高学歴難民』(秋田書店)から抜粋してお届けする。
主人公は文系大学院の博士課程を修了した34歳の男性。しかし、彼を待っていたのは「コマ切れの非常勤講師」という不安定な身分だった。専任ポストは得られず、収入は不安定で将来の見通しも立たない。
妻の収入を頼りに何とか生計を立てていたが、第一子の誕生によって家計は完全に崩壊。育児費用や生活費がかさみ、貯蓄は底を突き、借金も重なっていく。
追い詰められた彼は、SNSで見つけた「即日高額報酬」のアルバイトに応募。面接もなく、指示されたのは「身分証の裏表を撮影して送れ」「自宅周辺の動画を撮れ」という異様な内容だった。
結局、彼は闇バイトの「出し子」として利用されることに。真面目な父親が、学歴も職歴も活かせず犯罪に手を染めた背景には、社会のセーフティネットの穴と、身近な経済的絶望があった。