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いつだって耳を傾けたい 私は出羽守が大好き

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Yuki Tanaka
経済 - 30 4月 2026

私は「出羽守(でわのかみ)」が好きだ。辞書によれば、「◯◯では」と、なにかにつけて他国の例を引き合いに出して語る人のことで、多くは揶揄(やゆ)の気持ちを込めて言う言葉だという。つまり蔑称であり、とくにネット界隈(かいわい)で忌み嫌われているイメージがあるが、私は井の中の蛙(かわず)であることを大いに自覚しているため、この言葉に親しみを感じる。

なぜ私がそんな自覚を持つに至ったか。それは、海外旅行の経験が圧倒的に不足しているからだ。大学時代に猫を飼い始めたせいで、海外旅行とは縁遠かった。旅行の楽しさを知る前に旅行できない身となったので、あまり苦ではなかったけれど、結果として20歳から37歳までの海外旅行に最適な時期を、ほとんどどこにも行かずに過ごした。

猫との出会いは2001年、ニューヨークで9.11同時多発テロが起きた直後だった。テレビはテロ関連のニュースばかりで心細かった私は、片手にのるくらいの小さなサビ猫を拾い、下宿先に連れ帰った。「私がどうしようもない若者だったモラトリアムの間、ずっと猫は寄り添ってくれた」。猫は16年生き、私が作家デビューし自立するのを見届けて逝った。

1990~2000年代にかけて、日本の若者は「自分探し」と称してバックパッカーとして世界を放浪していた。そういう時代に、私はどこへも行かず家で猫をなでていた。「こんなことでいいのだろうか、自分はとんでもない世間知らずに違いないというコンプレックスは、少なからずあった」。

愛猫を見送った後、私は堰を切ったように旅行し始めた。しかしそれは安全な上辺だけの「観光」でしかなく、その国特有の事情を肌で感じるディープな体験はほぼなかった。だからこそ、私は「出羽守」という言葉が好きなのだ。他国の例を引く人への揶揄であることを承知で、その態度に共感してしまう自分がいる。


📝 編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、
朝日新聞デジタル
の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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