
欧州主要リーグで活躍する日本人選手は増えている一方、指導者や代理人、ビジネス面での進出はいまだ限られている。なぜ日本人監督は誕生しにくいのか? そして欧州サッカー界で日本人が武器にできる強みとは――。本場で奮闘する若き代理人が現場の実態を語る。
欧州主要リーグ(イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランス)に所属する日本人選手は70人を超えた。三笘薫や久保建英、冨安健洋らが主力として活躍し、その数は年々増加している。しかし、指導者として欧州のクラブで指揮を執る日本人は皆無だ。Jリーグで実績を積んだ監督でさえ、欧州のトップリーグでチャンスを得られていない。
その背景には、言語や文化の壁だけでなく、欧州サッカー界におけるコーチングライセンスの取得難易度や、指導者としてのネットワーク不足がある。特に欧州では「監督は元名選手」というイメージが強く、現役時代に欧州でプレーしていない日本人指導者は評価されにくい。また、代理人の分野でも日本人が欧州のビッグクラブと直接契約する例は極めて少ない。
一方で、日本人には「勤勉さ」「規律」「チームへの献身」といった強みがある。欧州のクラブはこれらの資質を評価しており、選手としては既に認められている。代理人として活動する日本人ビジネスマンは、「日本人は準備が丁寧で、交渉も誠実。欧州のクラブ関係者から信頼を得やすい」と語る。この強みを指導者やフロント分野でも発揮できれば、欧州サッカー界での存在感はさらに増すだろう。
日本がW杯優勝を本気で目指すなら、選手層の厚みだけでなく、指導者や代理人、クラブ運営など「サッカーの裏方」での人材育成が不可欠だ。欧州で結果を残す日本人監督が誕生すれば、選手たちのキャリア選択肢も広がり、日本サッカー全体の底上げにつながる。若き代理人は「あと10年もすれば、欧州で日本人監督が普通になるかもしれない」と将来に期待を寄せる。