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エヌビディアの創業者、ジェンスン・フアンCEOが15日に緊急来日した。日本の国策AI会社Noetraとの提携発表から、長年の取引があるセガとのイベント、東京・神田の路上であんパンを配るなど、2日間にわたってサプライズを連発した。
フアン氏が6月に台湾と韓国を訪問した際、「日本は素通りか」と落胆した向きも、この来日には大満足だったに違いない。赤沢亮正経済産業大臣に至っては革ジャンの「フアンCEOコスプレ」で決め、満面の笑みを見せた。
しかし、こうした「ほっこりエピソード」に心温まっている場合ではない。今日本にとって最も重要なのは、エヌビディアが世界に起こす「お金の津波」にいかにうまく相乗りするかである。
エヌビディアはAIコンピューティングに不可欠なGPUの開発者だ。AIデータセンターの心臓部品である同社の半導体は世界的に奪い合いが続いており、フラッグシップのBlackwellは搭載ボード価格で600万円の高額ながら、納品は1年待ちと報じられている。
このため日本では近年、「どうすればエヌビディアのGPUを入手できるのか」が政界と産業界の論点となってきた。日本は「買い手」であり、エヌビディアは売り手である構図だ。産業用ロボット分野でのフィジカルAI提携も、日本企業はエヌビディアから売り込みを受ける立場にある。
だが日本の外、特に台湾や韓国などのハイテク貿易立国では、エヌビディアはむしろ「売り先」として極めて重要だ。何しろ同社は19兆円以上ものお金を世界のサプライチェーンにばらまいている。
この19兆円は、エヌビディアが決算で開示する「サプライヤーとの買取契約」の金額だ。直近四半期ではそのコミットメント額が1190億ドル(1ドル=160円換算で19.04兆円)に上った。約8割は2027年1月末までに支払われ、残りも2031年までにサプライヤーへ渡る予定だ。