
中東情勢の影響でナフサ由来の印刷インキ節約のため、カルビーがポテトチップスなどの包装を白黒2色に簡素化したことに対し、食品業界では同様の対応に慎重な姿勢が目立つ。パッケージデザインはブランド発信に不可欠で、常識破りの決断をした同社には「やりすぎ」との批判が聞かれ、簡素化の広がりは見通せない。
サントリーホールディングスの広報担当者は取材に、危機が長期化した場合を想定し、商品の安定供給に支障が出ないよう「さまざまな方法を検討している」と話した。パッケージに限定しない広い意味での製品の仕様変更を含めて検討しているという。
一方、タマノイ酢は資材やインキの調達価格上昇と一部調達難を認めつつも、「現時点で商品の安定供給に支障は生じておらず、包装変更や価格改定といった対応も検討していない」と答えた。
各社が状況を見極める中、カルビーの判断は業界に波紋を広げている。ある関西の食品メーカー社員によると「業界内ではやりすぎとの意見も出ており、『パフォーマンス』との声もある」。同業他社の社員も「やや先回りした対応ではないか」と首をかしげ、ナフサ供給への不安感に拍車をかけることに懸念を示した。
販売への効果についても見方が分かれる。「白黒だと直感的に何の商品なのか伝わりづらくなる」と否定的にみる意見に対して、「商品棚に陳列された際に白黒は目立つため、むしろ販売促進につながる可能性がある」とし、マーケティング手法の一つと受け止める向きもある。