
帝国データバンク奈良支店によると、奈良県内トップ級のストッキングメーカー「福西メリヤス」(大和高田市)と、関連会社の「日本クレビオ」(同)、「福西商事」(同)が5月29日に事業を停止した。自己破産を申請する意向といい、3社の負債総額合計は昨年時点で約23億4000万円に上る。
福西メリヤスは昭和26年6月に創業。大手アンダーウエアメーカーを主力得意先とし、ストッキングやタイツ、レギンス、ハイソックスなどの製造、販売を手掛けてきた。製造の大半を自社で賄う体制を構築し、品質面で高い評価を獲得。大手流通業者などへの直接販売も行い、ピーク時の平成4年5月期には年間売上高約54億4000万円を計上していた。
しかし近年、ストッキングの需要が減退し、海外の安価な製品流入で競争が激化。さらに温暖化の影響で冬物の販売が伸び悩み、令和4年5月期の年間売上高は10億円を下回る水準にまで低下した。収益性が低迷し、赤字経営に陥った。
同社は機能性商材に注力するなど新たな需要開拓に努めたが、業績回復には至らなかった。グループ各社の借入金の返済見通しが立たなくなり、経営破綻を余儀なくされた。
帝国データバンクは、ストッキング市場全体の縮小傾向が続く中、同社の破産は地域経済にも影響を与えるとみている。今後の事業再生の可能性については不透明な状況だ。