
イラン情勢の長期化により、ホルムズ海峡を通るナフサの供給が不安定化している。この影響は石油化学製品に広がり、食品パッケージやラッピングフィルム、医療用手袋など日常生活に不可欠なプラスチック製品の価格上昇と品薄を招いている。備蓄需要が高まる中、消費者の購買行動には明確な変化が現れ始めた。
東洋経済がまとめた「売れた商品トップ30」によれば、家庭用ラップフィルムが前年比で2倍以上の売り上げを記録したほか、ポリ袋、使い捨て手袋、ストロー、食品保存容器などが上位に並んだ。背景には、在宅時間の増加や外食自粛による家庭内消費の拡大に加え、値上げ前の駆け込み需要が拍車をかけている。
一方、「売れなかった商品トップ30」では、業務用大容量パッケージや高級化粧品のボトル、一部の使い捨て紙皿が不振だった。消費者の節約志向が強まり、不要不急のプラスチック製品は買い控えられる傾向にある。また、素材を代替する動きも広がり、紙製や生分解性プラスチックへのシフトが一部で進んでいる。
消費者の行動変化はより顕著だ。スーパーやドラッグストアでは「ナフサ由来製品」と明記された商品が相次ぎ値上げされ、購入個数を制限する店舗も出ている。SNS上では備蓄情報が飛び交い、転売目的の買い占めも一部で報告されている。専門家は「パニック買いを避けるため、冷静な情報発信が重要」と警告する。
ホルムズ危機の長期化リスクはなお高い。イランと米国の対立が続く限り、ナフサ供給の安定は見通せない。政府は備蓄放出や代替ルートの確保を進めるが、長期的にはプラスチック資源の循環利用や脱石油素材の開発が不可欠だ。今後の商品動向は、国際情勢と消費者の意識改革に左右されそうだ。