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最高裁第1小法廷(才口千晴裁判長)は12日、一晩に2回の飲酒運転で懲戒免職処分を受けた熊本県宇城地区の中学校元教諭の男性が処分取り消しを求めていた訴訟で、熊本県教育委員会の上告申し立てを退ける決定を下した。これにより、元教諭側の勝訴としていた2審の福岡高裁判決が確定し、処分取り消しが正式に認められた。
この元教諭は2003年11月21日未明、熊本県宇土市内の居酒屋でビール5杯程度を飲んだ後、警察の飲酒検問で酒気帯び運転の現行犯として摘発された。その際、教諭は「これ以上の運転はしない。代行業者を呼ぶ」と約3時間仮眠を取ったものの、代行業者が見つからず、自ら運転して帰宅しようとしたところ、別の検問で再び摘発され、一晩に2度の飲酒運転で検挙された。
後の調査で、この教諭が飲酒運転をしてまで熊本市内へ向かったのは、勤務先からの帰りに立ち寄った温泉施設で紛失した、生徒の個人情報が記録された磁気ディスク(MO)を、拾得者の元へ受け取りに行くためだったことが判明した。MOは摘発の3日前に無くしたもので、教諭はその回収を急いでいた。
熊本県教委は2004年1月、「一晩に2度の飲酒運転摘発」と「生徒の個人情報を収めたMOの紛失」を理由に、この教諭を懲戒免職処分とした。しかし教諭側は「加重処分とはいえ内容が厳しすぎる」と反発し、処分取り消しを求めて県教委を相手に訴訟を起こした。
1審の熊本地裁は県教委の処分を妥当として教諭の請求を棄却したが、2審の福岡高裁は「処分基準に照らし合わせてみても、懲戒免職という処分は重すぎる」と判断し、元教諭側の逆転勝訴となった。これを不服とした県教委が最高裁に上告していた。
最高裁第1小法廷は12日、2審の福岡高裁判決を支持し、県教委の上告申し立てを退ける決定を行った。この決定により、2審判決が確定し、元教諭の懲戒免職処分の取り消しが最終的に認められることとなった。