
仏オラノ社が運営する世界最大級のラアーグ核燃料再処理工場(フランス北西部ラアーグ)のジャン=クリストフ・ヴァラン副工場長が12日までに、現地で日本メディアの取材に応じ、「2025年は使用済み核燃料1220トンを再処理し、1999年以降で最多となった」と明らかにした。フランス政府はエネルギー政策として原発の活用を掲げ、使用済み燃料を再利用する「核燃料サイクル」での同工場の役割を強化している。
国際原子力機関(IAEA)によると、世界の原発から発生する使用済み核燃料は年間約1万トンで、ラアーグ工場の2025年実績はその1割強に相当する。
原発で使い終えた燃料からプルトニウムとウランを分離する再処理は核燃料サイクルの重要な工程。取り出したプルトニウムは、南仏の工場でプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料に加工する。
再処理をはじめとする核燃料サイクルはフランスが世界でも先進的な技術を持ち、日本政府も実現を目指している。
ラアーグ工場は、新型炉「欧州加圧水型炉(EPR)」が設置されたフラマンビル原発の北約15キロに位置する。オラノ社は12日、同工場を日本メディアに公開した。
再処理前の使用済み燃料を冷却・貯蔵するプールは、25年末時点で許可容量の約90%に当たる約1万3000トン分が埋まっている。広報担当者は「燃料の保管容器を小型化することでプール内を高密度化し、29年までに容量を15%増やす。必要なら30%まで拡大できる」と述べた。
同工場は1976年以降、4万2000トン以上の使用済み燃料を再処理。フランス国内の原発をはじめ、日本やドイツ、スイスなど海外の燃料も処理してきた。関西電力などが「プルサーマル発電」で使用するMOX燃料はフランスにある使用済み燃料から再処理、製造して輸送されている。
ヴァラン氏は「フランス政府が2040年以降も(核燃料の)リサイクル活動を認可し、事業継続が明確になった」と話した。
日本では日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)が核燃料サイクルの中核施設と位置付けられ、26年度中の完成を目指している。最大処理能力は年800トンで、一般的な100万キロワット級原発の約40基分に相当する。
同工場は技術力の維持・向上に向け、21年11月から今年3月まで延べ89人の運転員をラアーグ工場に派遣し、訓練を実施した。ただ、度重なるトラブルなどで完成が27回も延期されており、早期の稼働が待たれている。