
オーストラリアで、交流サイト(SNS)を通じて性被害に遭ったことを苦に息子が17歳で自ら命を絶つという凄絶な体験をした父親が、自殺予防やSNS利用のリスクについて啓発活動をしている。同国では昨年、16歳未満のSNS利用を禁じる世界初の法律が施行されたが、父親にとって法制化はゴールではない。
「一人でも自殺を防ぎたい」。父親は息子の体験を通して得た教訓を語り継ぐ。
南東部メルボルン郊外に住むウェイン・ホルズワースさん(66)の息子マックさんは16歳だった22年春、「18歳の女性」とSNSでやりとりしていた。裸の写真を送ってきた女性の求めに応じ、自身の全裸写真を共有した。
だが、写真送付後程なくしてマックさんの携帯電話が鳴った。「500豪ドル(約5万7000円)払わなければ写真を拡散する」。やりとりしていた相手は女性ではなく、中年の男だった。
ホルズワースさんは、この事件を基にSNSの危険性を訴え、自殺予防の啓発を続けている。同国の法律は一歩前進だが、彼は「一人でも自殺を防ぎたい」と、さらなる取り組みの必要性を強調する。