
刑事裁判の再審制度を改正する刑事訴訟法改正案が26日、衆議院で審議入りした。政府提出の改正案に対し、中道改革連合などの野党は超党派の議員連盟がまとめた議員立法案で対抗する。柱は検察官抗告の全面禁止であり、野党側は結束して政府の譲歩を引き出したい考えだ。ただし、政府与党と近い国民民主党などは議員立法案の共同提出を見送っており、足並みはそろっていない。
政府案と並行し、中道、チームみらい、共産の3党が共同提出した議員立法案も衆院で審議入りした。衆院に議席を持たない立憲民主党や公明党も同調している。
高市早苗首相は26日の衆院本会議で、再審制度見直しを巡り「強い思いを持って取り組んできた。改正案は誤判からの確実な救済と手続きの円滑、迅速化を図るものだ」と強調した。一方、中道の西村智奈美衆院議員は「政府案をこのまま成立させたら冤罪被害者の救済は遠のく」と訴えた。
議員立法案は検察官抗告の「全面禁止」を盛り込んだ。証拠開示についても、政府案よりも幅広い開示規定を明記。政府案は開示された証拠の「目的外使用の禁止」を罰則付きで盛り込んだが、議員立法案は規制しない。
議員立法案の内容は、再審制度に関する超党派の議員連盟が練った。昨年6月に立憲民主、国民民主、参政など6野党が共同提出し、廃案となった経緯がある。
今回は国民民主や参政は共同提出を見送った。国民民主の玉木雄一郎代表は26日の記者会見で、政府案をもとに修正を求めていく考えを示した。参政の神谷宗幣代表も「野党案には乗らない」と距離を置く。
複雑な事情も絡む。超党派議連には会長を務める柴山昌彦元文部科学相ら自民議員も参加する。自民総務会は政府案を了承したため表立って賛成はできないが、議員立法案を評価する自民議員も少なくない。中道幹部は「議連に参加する自民議員が少しでも声を上げてくれれば修正の可能性が出てくる」と期待を寄せる。(深津響)