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北方領土の元島民とその家族47人が25日、チャーター船「えとぴりか」で洋上慰霊に臨み、日露中間ライン手前から故郷の方角に向けて手を合わせた。洋上慰霊は9月3日まで計6回実施される。
ロシアによるウクライナ侵略を背景に日露関係が悪化し、北方領土墓参が中断される中、洋上慰霊は今年で5年目を迎えた。同慰霊は北方領土問題対策協会、千島歯舞諸島居住者連盟(千島連盟)、北海道の共催で行われ、鈴木直道知事も参加した。
船内では択捉島出身の山本忠平さん(91)=神戸市在住=が講話。過去の墓参事業を振り返りながら、山本さんは「今は耐えるしかなく、引くことなく島を返せと言い続けるしかない。故郷のお墓参りが自由にできるように祈っている」と語った。
船上デッキで執り行われた慰霊式では、黙祷をささげた後、参加者全員で祭壇に献花した。千島連盟の松本侑三理事長は「ふるさとを離れてから80年以上の歳月が流れてしまった。返還要求運動の志半ばで逝かれた皆さんのご遺志を受け継いで、粘り強く返還運動に取り組んでいくことを誓う」と追悼の言葉を述べた。
鈴木知事は「北方領土の早期返還は国民の共通の願い。一日も早い返還に向けて粘り強く運動に取り組んでいく」と語った。
最年少で参加した木村朋輝さん(12)=東京在住=は今回が2度目の洋上慰霊参加となる。今年3月に歯舞群島・志発島出身の祖父、芳勝さんが91歳で亡くなったといい、「ロシアに奪われた北方領土には上陸できないけど、おじいちゃんの思いを未来へ受け継ぐため頑張りたい」と話した。
今年の洋上慰霊には過去最多の327人が参加予定だ。また、高齢で洋上慰霊に参加できない元島民らを対象とした上空慰霊も6年ぶりに実施され、10月31日と11月7日の2回行われる。(坂本隆浩)