
米国とイスラエルによるイラン攻撃の影響で漁業用燃料が高騰し入手が困難になった問題で、出漁を制限していた和歌山県内3つの漁業協同組合に漁船の燃料となる重油が供給されたことが27日、県への取材でわかった。重油確保に伴い、出漁制限が緩和される。県は「当面の燃料枯渇は回避できる見通しとなった。引き続き価格や配送、ルートの安定化など課題解決にあたる」としている。
県によると、中東産原油の輸送上の要衝・ホルムズ海峡が事実上封鎖され、漁船の燃料となる重油が不足。イラン攻撃以降、漁協側が希望する量が確保されず、県内では3月1日時点で1リットル119円だった販売価格が、4月には170~180円台に高騰。今月22日現在は150~170円台となっていた。
こうした状況を受け、県内20漁協のうち雑賀崎、有田箕島、湯浅湾の3漁協が底引き網漁の出漁を週5日から週2日に制限。宮崎泉知事は4月14日に上京し、漁業の存続も懸念される深刻な事態として水産庁に対策を要望していた。
その後、国が石油元売り企業に要請し、今月27日から有田箕島漁協に約1カ月分の燃料に当たる重油168キロリットルの供給が始まった。雑賀崎漁協にも25日に28キロリットル、湯浅湾漁協には23日に14キロリットルが供給された。各漁協は6月下旬から8月下旬までの燃料を確保。価格は1リットル113円に抑えられたという。重油の確保を受け各漁協は、出漁を週2日から週3日にするなど制限の緩和を進めている。
有田箕島漁協が直営する施設「浜のうたせ」(有田市)では30、31日に「六周年祭」を予定。出漁制限に伴い、一時は底引き網漁で捕まえた魚を使ったイベントなどの実施が危ぶまれていたが、開催できるめどが立ったという。(永山裕司)