
中東情勢に端を発する石油由来のナフサ不足が建築業界全体に影響を及ぼしている。帝国データバンクが発表した調査によると、2026年1~5月の「塗装・防水工事」の倒産件数は80件に達し、2000年以降で最多だった2025年の同時期(87件)に次ぐ高水準で推移していることが明らかになった。
この調査は負債額1000万円以上で法的整理による倒産を対象としており、負債額別に見ると1億円未満が69件で全体の86.3%を占める。小規模事業者の経営破綻が顕著に表れた形だ。
塗装・防水工事の業界は小規模事業者の比率が高い上、建築工程の川下に位置するため、工期遅延のしわ寄せやコスト上昇の打撃を受けやすい構造にある。
ナフサ由来の溶剤が塗料や防水材に多用され、養生シートや容器といった副資材もナフサを原料としていることから、中東情勢の緊迫に伴うナフサ不足のさらなる悪化が懸念されている。
帝国データバンクによれば、現場では既に塗料や防水材の値上がり幅が不透明で、工事金額の見積もり提示が困難になっている。また、資材調達の遅れから工期の遅延も各地で発生しているという。
ナフサ製品の供給不安が解消されなければ、年間の倒産件数は昨年を上回り、2000年以降の過去最多を更新する可能性が高まっている。