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戦前、戦後に北米や南米などに渡った移民の子孫が、ルーツをたどって日本国内のゆかりの地を訪れる旅が人気となっている。SNSの影響に加え、円安も、こうした動きを後押ししているとされる。海外の日系人は推計約500万人に上り、この「ルーツ・ツーリズム」の拡大は地域振興にとどまらず、相互理解の促進につながる可能性を秘めている。
5月半ば、神戸市の「海外移住と文化の交流センター」で、ブラジル・サンパウロの日系人会計士セルジオ・コハツさん(68)は父(97)の乗船記録を手に喜びを口にした。「感激だ。父がどうやって海を渡ったのか、ずっと知りたかった」と語った。
同センターは元々、移住者が海外渡航前に短期間を過ごす「国立移民収容所」として1928年に開設された。1971年まで、ここからブラジルなどへ多くの人が旅立った歴史を持つ。
こうした旅の背景には、日系コミュニティでのSNSを通じた情報共有や、円安による訪日コストの低下がある。地域によっては移住者の子孫が定期的に訪れ、地元住民との交流が深まるケースも増えている。
専門家は、ルーツ・ツーリズムが単なる観光ではなく、日系人のアイデンティティー確認や、日本と移住先の相互理解を促進する重要な機会になると指摘している。今後も各地で受け入れ体制の整備が進むとみられる。