t>

経営再建中の日産自動車が横浜市の本社で開いた定時株主総会で、会社側がイバン・エスピノーサ社長ら取締役12人の選任議案を提出したものの、社外取締役で主要取引行のみずほフィナンシャルグループ(FG)出身の永井素夫氏の再任案が否決された。日本の大企業の株主総会で会社提案の取締役選任案が否決されるのは極めて異例であり、2021年の東芝の株主総会に並ぶ「波乱の筋書き」となった。
低迷する株価や3年連続の「無配」という苛立ちもあったようだが、出席した株主からは相次ぐ不信任「動議」や議長の進行を妨げる罵声も飛び交うなど、まるで商法改正前のいわゆる「総会屋」と呼ばれた“特殊株主”が幅を利かせた「荒れた総会」を彷彿とさせるようでもあった。
きょうの各紙にも「日産社外取再任案を否決、みずほ出身要職10年超」(朝日)や「日産総会、異例の再任否決」(産経)、「ルノー、日産『みずほ色』に反発、永井社外取の選任棄権、銀行の影響力けん制」(日経)などと大きく取り上げている。
再任案が否決された理由は、日産の大株主で議決権の15%を保有するルノーが、永井氏と、それに同じくみずほFG出身の真保順一氏も新任候補として名を連ねたが、両氏の選任について、議決権行使を棄権する意向を日産側へ伝えていたほか、米大手議決権行使助言会社も両氏の選任議案への反対を推奨。多くの株主から独立性を疑問視する声が上がっていたとみられる。
日産の株主総会には例年並みの約660人が参加。約2時間半で終了したが、ルノーの反発や議決権行使助言会社の見解が重なり、会社提案が覆る異例の展開となった。永井氏の再任否決は、日産のガバナンス改革や株主との関係に波紋を広げる可能性がある。