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先月、トランプ米大統領の訪中を終えた翌日、北京中心部の天壇公園を訪れた。祈年殿の前では中国人観光客が「ここがトランプが立った場所だ」と話す声が聞こえ、両首脳の記念撮影の跡が大衆の関心を集めていた。
祈年殿は皇帝が天を祀り豊作を祈る場所だ。特徴的な円形木造建築は、一本の釘も使わず木材同士を組み合わせて建てられている。中国共産党機関紙・人民日報はSNSで、部材が「独立しながらも緊密に頼り合っている」構造を米中関係になぞらえた。
習近平国家主席は党最高指導部が執務する中南海にもトランプ氏を招き、庭園を案内。習氏は2本の木が1本のように結びついた古木を自ら紹介した。米中両国の利益は密接に結びついており切り離せない――。こうしたメッセージを伝えようとしたのではないか。
トランプ氏の訪問先としては北京郊外の万里の長城も候補に上がったが、今回は見送られた。他国に依存しない「自立自強」体制を急ぐ中国では、王朝が外敵侵入を防ぐために整えた万里の長城になぞらえ、「科学技術の長城」建設の重要性が叫ばれている。
「長城」はいつ、米大統領に誇示されるのか。それは米中両国の力関係次第と言えそうだ。(三塚聖平)