
福岡県春日市の歯科医院で2017年、山口叶愛ちゃん(当時2)が麻酔剤の注射後に死亡した事故をめぐり、業務上過失致死罪に問われた元院長の高田貴被告(60)について、最高裁第三小法廷(沖野真已裁判長)は24日付で被告側の上告を棄却した。これにより、被告を禁錮1年6カ月、執行猶予3年とした一審・福岡地裁判決が確定し、有罪が正式に確定することとなった。
一審判決によれば、被告は2017年7月、別の歯科医が麻酔剤を使って治療した直後、両親から叶愛ちゃんの異変を繰り返し伝えられていたにもかかわらず、状態を十分に確認せず死亡させた。死因は急性リドカイン(麻酔剤)中毒による低酸素性脳症だった。裁判所は、被告が適切な処置をとっていれば救命できたと判断した。
弁護側は「死亡は予見できなかった」などと無罪を主張したが、一審は「症状を放置すれば死亡することがあり得ると気づけた」と指摘。適切な処置をすれば救命できたと判断し、有罪とした。二審・福岡高裁もこの結論を支持し、被告側は上告していた。
最高裁判所は決定で、上告理由にあたる憲法違反などがないとのみ判断し、詳細な理由は示さなかった。この決定により、元院長の高田被告に対して禁錮1年6カ月、執行猶予3年の判決が確定することになる。
本件は、幼い子どもが歯科治療中に命を落とした痛ましい事故であり、医療現場における安全対策の重要性を改めて問いかけるものとなった。裁判を通じて、患者の異変を伝えられた際の医療従事者の対応責任が厳しく問われる結果となった。
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