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奈良・飛鳥の研究に携わって70年近く。飛鳥美人壁画で知られる高松塚古墳、朱雀などが描かれたキトラ古墳、国内初の都城の藤原宮跡(きゅうせき)…。「世界遺産になった遺跡のほとんどに思い出があります」。京都橘大名誉教授の猪熊兼勝さん(88)は感慨深げに語る。
飛鳥の遺跡との出合いは昭和35年。関西大の学生時代に飛鳥宮跡(奈良県明日香村)を発掘した。
大学では考古学の権威で県立橿原考古学研究所を設立した末永雅雄さん(故人)から薫陶(くんとう)を受けた。末永さんは同8年の石舞台古墳(同村)などの発掘で知られ、飛鳥の魅力を教わった。
飛鳥宮跡は、蘇我入鹿(いるか)が暗殺された乙巳(いっし)の変(645年)の舞台の飛鳥板蓋宮(いたぶきのみや)、天武天皇が中央集権国家を目指した飛鳥浄御原(きよみはらの)宮(みや)の跡とされるが、当時は実態がほぼ分かっていなかった。
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