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直木賞作家・小川哲氏の初エッセイ『斜め45度の処世術』が刊行された。本書は、日常に潜む自己主張の強すぎる「グルメ」や、突然予言者となる友人、そして「正直者」というレッテルの裏側を、ユーモアと鋭い観察で切り取る異色の一冊だ。
小川氏はまず、自称グルメたちのふるまいに焦点を当てる。彼らは知識やブランドを駆使して他人を気取るが、その自信はしばしば不安の裏返しであり、真の味覚よりも見せかけに依存していると指摘する。
次に、友人がなぜ突然預言者のように振る舞い始めるのかを考察。不確実な時代にあって、確固たる未来予測を語ることで優位に立とうとする心理が見えてくるという。
さらに、「正直者」という評価の裏には、むしろ巧みな嘘を操る能力が潜んでいる可能性を提起。小川氏は、本当に正直な人ほど自分の欠点を隠さず、その逆説的な正直さが信頼を生むと語る。
最終的に、小川氏が提案する「斜め45度の処世術」とは、正面から戦わず視点を少しずらすことで生きやすくなる知恵である。本書は、現代社会を賢く泳ぐためのヒントが満載だ。