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戦後日本のかじ取りの大半を政権与党として担ってきた自由民主党。好き嫌いを問わず、その存在を無視して日本の政治を語ることはできない。昭和30(1955)年の結党から約70年、国内外だけでなく党内からの風雪にさらされながらも、解党することなく体を保ち続けているのはなぜか。その問いへの答えを、今年3月に出版された「自由民主党の誕生」(中央公論新社)は史料に基づいて冷静に示している。
同書は結党の原点や経緯を詳細に描くだけでなく、自民党が掲げる保守主義の本来の意味も明らかにしている。執筆したのは自民党憲法改正実現本部事務局顧問の福冨健一氏。産経新聞の田北真樹子編集長が話を聞いた。
福冨氏は、自民党が長く政権を担い続けられた理由について、党内の多様な意見を調整しながらも、保守本流としての軸を失わなかった点を挙げる。結党時の資料には、政党としての理念と現実政治の折り合いをつける苦闘の跡が刻まれているという。
また「自由民主党の誕生」では、昭和30年の保守合同に至るまでの政治過程を丹念に追い、当時の政治家たちが何を懸念し、どんな国家像を目指したのかを浮き彫りにする。単なる党史ではなく、戦後日本の政治思想を読み解く手がかりにもなる内容だ。
インタビューでは、結党から現在に至るまで自民党が直面してきた党勢の危機や政策転換の場面にも話が及んだ。福冨氏は、歴史を知ることが今後の政党政治の在り方を考える上で欠かせないと強調している。