
前市長の失職に伴う茨城県石岡市長選(14日告示、21日投開票)では、市が進めてきた産科施設誘致構想の在り方も争点の一つになりそうだ。失職した無所属前職の谷島洋司氏(63)は、市長時代に道筋をつけた構想の実現を公約として掲げる。一方、医療法人役員の幕内幹男氏(68)、元県議の戸井田和之氏(61)の無所属新人2人は、施設の必要性には賛同しつつも費用対効果を踏まえた見直しを示唆し、見解は割れている。
分娩(ぶんべん)のできる産科施設の誘致を目指してきた石岡市は4月17日、近隣のかすみがうら市と小美玉市、神奈川県の医療法人の4者で協定を結び、開設に向けた協議を進めていくことで一致した。
協定によると、新たな施設の診療科目は産科と婦人科、規模は19床以下で、石岡市石岡のイオン石岡店跡地の隣接地での整備を目指す。
協定締結時に市長だった谷島氏は5月14日、市議会から2度目の不信任決議を受けて失職した。
出直し選に臨むことになった谷島氏は、市長在職中に取り組んできた地域医療計画再構築の「最後の課題」として、施設誘致への意欲を強調する。当選を果たした場合は、かすみがうら、小美玉両市との間で補助金支出などに関する合意を図り、協定に沿って令和10年度の開設を目指すとしている。
幕内氏と戸井田氏は、いずれも構想の白紙撤回は否定しているが、現状の計画には疑問を示す。幕内氏は「議会とも話し合って、費用対効果をきちんと考えた上で行いたい」と述べ、新たな施設を設けるのではなく「既存の市内の病院に産科を作るのが効率がよい」と主張する。産科を設けるため、医師らを全国から公募する考えも示している。戸井田氏は「分娩ができる産科を作ることには賛成だ」とした上で、採算性の検証などを踏まえて誘致構想を精査すると説明している。