
関西電力は30日、原子力発電所の建て替えに必要な投資を含め、2026年度から15年間で累計15兆円の投資を行う経営計画を発表した。原発の建て替えはまだ決定段階ではなく、建設費は盛り込まれていないが、森望社長は「一定の前提を置いた上で、15兆円の中に建て替えに必要な費用は含まれている」と述べた。
原発は着工までに立地調査や基本設計、環境影響評価(アセスメント)などの多くの工程が必要となる。15兆円の中には、建て替え決定に向けた一部の費用が盛り込まれているとみられる。関電は美浜原発(福井県美浜町)の後継機設置に向けた自主調査を進めており、次世代革新炉の技術開発にも取り組む方針を示している。
15兆円の内訳は、電力の安定供給のための維持投資が約9兆円、成長投資が約6兆円。人工知能(AI)やデータセンターの普及で中長期的に電力需要が伸びると見込み、発電設備容量を25年比で3割増やす。火力の更新や再生可能エネルギー、原子力などを組み合わせて供給力を確保する。(桑島浩任)
関西電力の森望社長は同日、同社が自由料金について「6月ごろから上がる」との見通しを示し、ホルムズ海峡の封鎖が続けばLNG価格が高騰する可能性にも言及した。同社は燃料調達の多様化を進めているが、中東情勢の緊迫化が電力コストに影響を及ぼすリスクを懸念している。
関電は今回の15兆円規模の投資計画を通じて、安定供給と脱炭素化の両立を目指す。原発の再稼働や次世代炉の開発を含む原子力戦略と、再生可能エネルギーや火力の更新を組み合わせた電源構成の最適化を進める。電力需要の増加が見込まれる中、同社は供給力確保と収益基盤の強化を図る考えだ。