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高市早苗首相は23日、南太平洋の島嶼国ソロモン諸島のワレ首相と官邸で会談した。ソロモンは2019年に台湾と断交して中国への接近を強めてきたが、今年5月に就任したワレ氏は対中傾斜の是正を打ち出す。日本は米国やオーストラリアとともにソロモンとの関係を強化し、南太平洋での中国の影響力拡大を阻みたい考えだ。
首相は会談の冒頭で、「太平洋で結ばれた友人であり、自由や民主主義、法の支配、人権などの価値観を共有するソロモンと強く豊かになる協力を積み重ねたい」と述べた。ワレ氏は「外国との関係のリセットに励んでいる」と語った。ソロモンはサッカーの人気が高く、首相は地元・奈良県サッカー協会からサッカーボール約50個を寄贈した。
ソロモンは1978年の英国からの独立以降、一貫して台湾承認国だったが、2019年9月に台湾と断交し、中国と国交を結んだ。中国は多額の支援と引き換えにソロモンを影響下に置く布石として22年に安全保障協定を締結。日米豪などから中国の南太平洋での軍事拠点化につながると懸念の声が上がっていた。
ワレ氏は就任後、こうした過度な対中傾斜の是正に動いている。ワレ氏は日米豪との関係強化を重視しており、6月には訪問先の豪州で安保協定の見直しに言及。中国軍の原子力潜水艦が今月6日、模擬弾頭搭載の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を南太平洋に向けて発射した際には「友人がすることではない」と批判した。
中国にとり、ソロモンが日本などとの関係改善に動くのは痛手だ。中国の王毅外相は14日、ホウエニプエラ外務・貿易相を北京に招いて会談し、教育や衛生など実務的協力の推進で一致した。ソロモンを巡り、日本などと中国の駆け引きが激しさを増している。
日本は1997年から3年ごとに開催している「太平洋・島サミット」を通じ、ソロモンをはじめとする島嶼国と信頼関係を築いてきた。きめ細かな開発支援や人的交流を通じてソロモンを取り込み、中国への再接近を阻めるか、日本の外交力が問われる。