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音は食べ物に似ている。1度良い音を味わってしまうと、もう普通の音には戻れなくなる――。そんな魅惑の世界の醍醐味を明らかにしていく当連載。今回は「ドアを超高級スピーカーへと作り替える」という“極上”の魅力を説明する。
前回の記事では、カー用スピーカーに超高級品が存在することを説明した。エントリー機なら1万円台から買える一方、100万円を超える超高級品もある。その価格差によってどんな利点が生まれるのかを解説した内容だった。
使用するスピーカーが高級であればあるほど、取り付け作業にも手間暇をかけるべきだ。ホーム用の超高級スピーカーは、スピーカーユニットだけでなくボックスにもたっぷりとコストがかけられている。メーカーの英知が注ぎ込まれ、素材と構造と組み上げの精度にこだわり抜いて作り上げられている。
カー用スピーカーも同様に考えるべきだ。スピーカーユニットがハイグレードモデルであればあるほど、ボックスにあたるドアにもコストをかけなければ、せっかくの高級機はその実力を発揮できない。ドアの“スピーカーボックスとしての完成度”が重要になる。
では、どのようにコストをかければドアの“スピーカーボックスとしての完成度”を高められるのか。ポイントは主に3つある。
1つ目のポイントは、「内部の音響的なコンディションを上げること」だ。クルマのドアはスピーカーとして設計されていないため、音響的なコンディションは至ってお粗末だ。鉄板は簡単に共振し、スピーカーユニットの裏側から放たれる音エネルギーを閉じ込めるべきなのに、それも不完全にしか行えない。
そこで、スピーカーとしての完成度を上げる作業である「デッドニング」が不可欠になる。しかも超高級スピーカーを使うのであれば、超手厚く施工すべきだ。
2つ目のポイントは、「振動板を外から見える位置に出すこと」だ。通常のカー用スピーカーはドアパネル内に収められるため、振動板から放たれる音情報が多少なりともドアパネル内に回り込んでしまう。
そこで「ハイエンド・カーオーディオ」の愛好家たちの多くは、「アウター化」という方法でドアスピーカーを取り付ける。これは、ドアパネルを大胆にカットしてスピーカーの振動板が外から見えるように取り付ける方法だ。こうすることで、スピーカーから放たれる音情報のすべてを車室内へと供給できる。
3つ目のポイントは、「スピーカーを強固に固定すること」だ。スピーカーユニットを内張りパネル面まで立ち上げるとき、固定する部分にボードを仕込めば、ユニットをよりがっちりと固定できる。結果として、振動板を動かそうとするエネルギーのロスがなくなり、内張りパネルの共振も減る。
このような手の込んだ取り付け方を実践すれば、高級スピーカーは一層性能を発揮できるようになり、普通では聴けない繊細かつ迫力のあるリアルサウンドを満喫できる。今回は以上だ。次回も“極上カーオーディオ”の魅力を紐解く。お楽しみに。