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夏の風物詩として親しまれてきた麦わら帽子。天然素材ならではの涼しさや機能性が見直されるなか、140年にわたり作り続ける工房が埼玉県春日部市にある。日本のものづくりを支える高度な技と、その現場に息づく思いを訪ねた。
春日部市の「田中帽子店」は、明治時代から続く老舗だ。同市の伝統工芸品にも指定され、地元で長く愛されてきた。近年は国内外でファンが増えており、直営店を併設した工場には、遠方から訪れる客も少なくないという。
工場の中では、職人たちが一針一針丁寧に麦わらを編み上げていく。機械化が進む現代でも、仕上げの工程には手作業が欠かせない。長年培われた技術と、時代に合わせた新機軸のデザインが融合し、唯一無二の麦わら帽子が生み出されている。
「今も昔も、小学校の社会科見学でウチにたくさんの子供たちが来る。春日部にとって麦わら帽子は特別な存在なんだと、小さいころから思っていました」と、店の関係者は語る。地元の子どもたちにとって、この工房は身近な存在であり続けている。
「みんなに愛されてこそ」という言葉には、140年の歴史を支えてきた誇りと、これからも作り続けていく決意が込められている。伝統を守りながらも新たな挑戦を続ける田中帽子店の麦わら帽子は、これからも多くの人々に愛され続けることだろう。