
救急医療に用いるドクターヘリについて、令和8年度から東京、大阪、徳島の3都府県が運航の「空白地域」となっている。整備士不足で運休が続いていた学校法人ヒラタ学園(堺市)との契約が7年度末で終了し、新たな委託先が見つからなかったためだ。運航がままならない現状では、心肺停止患者らへの対応など緊急事態発生時に医師や看護師に参集を呼びかける「コードブルー」の運用に黄信号がともる。人口減少に伴い地域医療の維持が厳しくなる中、専門家は国全体であり方を再考すべきだと警鐘を鳴らす。
「安全で持続可能な運航体制をつくるのは、関西広域連合の課題であると同時に、国の重要課題だ」。4月23日、大阪市内で開かれた関西広域連合の会合後、連合長の三日月大造滋賀県知事は管内を運航するドクターヘリの現状について、こう語った。
近畿と鳥取、徳島両県を合わせた管内8府県では、これまで計8機のヘリが配置され、全機の運航をヒラタ学園が担っていた。しかし昨年7月以降、整備士の退職や休職が相次ぎ、断続的に運休する事態になっている。
このうち7年度で契約期間が満了したのは、4機。京都府・滋賀県を拠点とし、関西広域連合が学園と契約していた1機は「中日本航空」(愛知県)に新たに委託。連合が契約主体だった鳥取県拠点の1機は、8年度から同県が「つくば航空」(茨城県)と契約した。一方、連合が学園と契約し、大阪府と徳島県でそれぞれ運航する2機については、委託先が見つからなかった。
同様に学園が運航していた東京都でも7年度末の契約満了後に委託先が見つかっていない。長崎県が学園に運航を委託する2機のうち、稼働中の1機は今年11月末で契約切れとなる。11年度末に契約期間が終わる別の1機は整備士不足のため運休中だ。