
ロサンゼルス五輪を2年後に控え、日本の競泳界が徐々に復活の兆しを見せている。3月の日本選手権では「新世代」を掲げ、高校生や大学生ら若手が躍動した。中でも日本代表が強化の柱に据えるのがリレーだ。
競泳は個人競技の側面が強いが、「(北島)康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」という名言に象徴されるように、リレーではチームの結束力が問われる。現場では「リレーが盛り上がれば、チーム全体としても盛り上がる」とこだわりを示す関係者が多い。
日本代表の下山好充ヘッドコーチ(HC)は、リレー強化の手応えを具体的につかんでいる。昨年秋、国立スポーツ科学センターで男女100メートル・200メートル自由形のランキング上位者を集めた「フリーリレー合宿」での出来事だ。
下山HCは若手に経験を伝えるため、メンバー外の2019年世界選手権男子200メートル銀メダリスト・松元克央(ミツウロコ)を招集。実力者の松元と勢いのある若手が競い合い、活気あふれる練習が実現した。安心感のあるベテランが若手の力を伸ばす、下山HCの理想とするチーム像がそこにあった。
こうした取り組みがリレー強化を加速させ、チーム全体の盛り上がりにつながっている。下山HCは「若手がベテランに刺激を受け、互いに高め合う好循環が生まれている」と手応えを語る。2028年ロサンゼルス五輪へ向け、競泳ニッポンの復活は確かな一歩を踏み出した。