
北大西洋条約機構(NATO)の外相会合が21日、スウェーデンのヘルシンボリで2日間の日程で始まった。イラン情勢を巡るNATOの対応に不満を抱くトランプ米政権がNATOへの関与を低下させる動きを見せる中、他の加盟国は7月にトルコで開かれる首脳会議に向けて同盟の結束を再確認したい考えだ。
米国のNATO関与を巡っては、国防総省が今月1日、ドイツ駐留米軍のうち約5000人を撤収させると発表した。一方、バンス副大統領が19日、ポーランドへの米軍部隊4000人の派遣を延期すると表明してから2日後の21日、トランプ大統領が一転してポーランドに5000人の派遣を打ち出すなど、米政権の方針には不明確な部分も少なくない。
会合に出席したルビオ米国務長官は22日の協議で撤収計画の詳細などについて説明する。関係者の間では、NATO加盟国が有事に直面した際の米軍の貢献が大幅に限定される恐れが取りざたされている。
NATOのルッテ事務総長は20日の記者会見で、米政権による米軍撤収方針の表明に関し「予期されていたことだ」と述べ、米国が兵力をアジアなどに再配置することへの理解を示した上で「米国は欧州に関与し続ける」と主張した。
会合では、米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて事実上封鎖されたホルムズ海峡の安全確保に向けた加盟国の貢献のあり方について協議する。
イラン攻撃でミサイルなど米国製兵器の備蓄が減少する中、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援の継続に向けて加盟各国が兵器生産を増強させる方策についても話し合う。