
来年4月にグループ内の合併で発足する「三井住友海上あいおい損害保険」の社長就任が決まった三井住友海上火災保険の海山裕社長は2日までに産経新聞のインタビューに応じた。「大量にあるデータを活用し、リスク回避の行動を促していく」と述べ、事故や災害被害のデータ分析を通じ、契約者のリスクリテラシー向上や社会課題の解決に向けた事業展開を強化する考えを示した。
三井住友海上火災保険は同じMS&ADインシュアランスグループホールディングス傘下のあいおいニッセイ同和損害保険と来年4月に合併する。両社の膨大な過去のデータが集積することを「合併のメリットの1つ」と強調し、「データやノウハウを活用していく」と述べた。契約者への情報提供だけでなく、自治体や警察との連携を強化し、減災や地域課題の解決への活用を視野に入れる。
5月20日にグループ経営計画を発表し、合併後の2030年度までに修正利益を2800億円に引き上げ、人件費や代理店手数料、物件費の圧縮で事業費1500億円を削減する目標を掲げた。「海外での最先端のノウハウを取り込んで国内の営業、商品設計に活かしていく」と、2社の強みをかけ合わせた合併効果の発揮に注力する。
昨年3月に金融庁から情報漏洩(ろうえい)で業務改善命令を受けた後にも、出向先からの情報持ち出しが明らかになったことを陳謝。経営管理体制強化や企業風土の改革など150を超える再発防止策に取り組んでいるとして「合併新会社もガバナンス(企業統治)がより効いた会社にしていきたい」と強調した。
中東情勢の緊迫化に端を発した原油高による物価上昇など世界情勢の不確実性は増すが、「誠実でかつ強く、しなやかな保険会社」となって、激変する環境に立ち向かう構えだ。(藤谷茂樹)