ゲーム感覚で動植物観察、環境保全をビジネスに変える「バイオーム」の挑戦

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Yuki Tanaka
IT - 07 6月 2026

京都市下京区に本社を置くスタートアップ「バイオーム」は、スマートフォンアプリを通じて生物多様性保全や気候変動問題に取り組む。一般市民がゲーム感覚で動植物を観察できる画期的なアプリ「Biome」を開発し、公開から約7年でダウンロード数が125万を突破した。アプリ上の観察記録を集めることで国内最大級の生物分布データベースも構築。海外の動植物に対応する世界版アプリの開発も進め、「もうかる環境保全ビジネス」のパイオニアを目指している。

海洋汚染や森林破壊など、地球環境の破壊は人類の活動によりかつてない規模で加速している。世界経済フォーラム(スイス)の2020年の文書は、世界の国内総生産(GDP)の半分以上にあたる44兆ドル(約6600兆円、1ドル=150円換算)の経済活動が自然に依存していると推計。自然や生態系の崩壊が経済の重大リスクとなり、企業が生物多様性の損失を食い止める「ネーチャーポジティブ(自然再興)」に主体的に取り組むことが不可欠となっている。

そんな中、環境保全をビジネスに昇華させたのが、2017年5月に設立されたバイオームだ。創業の原点は、藤木庄五郎代表取締役最高経営責任者(CEO)が京都大大学院在学時代、通算5年間にわたり東南アジアで研究として取り組んだ生態系調査にある。特に力を注いだというボルネオ島では、見渡す限り一本の木もない景色が広がるなど環境破壊が深刻だった。森林伐採の目的であるパーム油農園の開発などが住民の生活を支えている現実を目の当たりにし、「環境を守ることで利益が出る仕組みをつくらなければ保全は進まない」と起業を決意した。

2019年4月に公開されたのが、いきものコレクションアプリ「Biome(バイオーム)」だ。スマホで撮った動植物の写真を人工知能(AI)が判別し、簡単に記録・収集・観察できるよう設計されている。「何より楽しさを大事にしている」と藤木氏は語る。観察を重ねるとアプリ上のレベルが上がり、珍しい生き物ほど高得点を獲得できる。ユーザー同士で教え合い、記録を積み上げられるのも魅力だ。ゲーム要素を他分野に取り入れる「ゲーミフィケーション」により、専門の研究者ではない人が参加する「市民科学」の仕組みを生かしている。

125万を超えるアプリユーザーの投稿に研究機関の公開データなどを統合し、国内最大級となる1100万件以上の生物分布のビッグデータ「BiomeDB(データベース)」も構築。地域ごとの生物分布や保全の優先度を解析し、企業や自治体へのデータ提供、地域の生物多様性戦略策定などの支援につなげている。気候変動や季節による生物の移動や生息地の変化を可視化する「BiomeViewer(ビューア)」など計4つのツールに業容を広げてきた。

これまで500超の企業、120超の自治体、30超の研究機関とプロジェクトを実施。関西でも複数の案件が進んでおり、JR大阪駅北側の再開発区域「グラングリーン大阪」のうめきた公園ではアプリを使った市民参加型プログラムを昨年10~12月に行った。同公園は今後50年をかけて56種類の鳥・昆虫類を呼び込む目標を掲げており、プログラムで集まった情報は、市民の意識向上や関西での自然再興に向けた基礎データとして活用されている。

活動領域は海外にも広がっている。アフリカ・ガーナでの森林再生とモニタリング、フィリピンでの農園・植林地調査、南米ボリビアでの水生生物調査、インドネシア政府との市民科学プラットフォーム共同開発など、7カ国でプロジェクトが進行中だ。2026年度内には全世界の動植物に対応したアプリの公開を目指す。世界中の企業が自然環境保護の視点をビジネスモデルに取り込めば、「経済の中に生物の営みが組み込まれる」と藤木氏は語る。

米グーグルが情報革命で世界を変えたように、自然と人間が調和する仕組みを世界に実装する「ルールメーカー」を夢見ている藤木氏。バイオームは、環境保全を持続可能なビジネスモデルへと転換し、企業と自治体、市民が協働する新たなエコシステムを構築しようとしている。(田村慶子)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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