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「10ノッチ投入」セノハチ越えは夢の時間 令和阿房列車2026

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Yuki Tanaka
経済 - 10 6月 2026

山陽本線の瀬野駅と八本松駅間10・6キロは、最大22・6パーミルの急勾配が続く。1パーミルは、1キロ進む間に1メートルの高低差が生じることを指す。22・6パーミルは、1キロ走る間に7階建てビル相当の22・6メートルのぼる計算になる。箱根登山鉄道は80パーミルなので、それに比べると大したことないと感じるかもしれないが、さにあらず。

瀬野駅の標高は50メートルを超す程度だが、八本松駅は255メートル。スイッチバックなしで約200メートル駆け上がらねばならない。坂がダラダラ長く続いているのが曲者で、5年前には、東京行き貨物列車がコンテナの偏積(積み荷の偏り)が原因で脱線してしまった。再発防止のためJR貨物は、駅構内にコンテナを積んだトラックが通るだけで偏積がわかる装置を導入するなど「偏積ゼロ」を目指している。

瀬野駅を通過した直後、牽引機の運転士から「10ノッチでお願いします」との指示が入る。木吉優斗運転士は、「1056列車補機です。10ノッチ了解しました」と応えるや否やマスターコントローラー(マスコン)を10ノッチに入れ、「10ノッチ投入しました」と報告した。ノッチとはマスコンの段数で、数字が大きいほど「アクセルを強く踏む」感じになる。

「補機は強く押し過ぎてもダメなんです。ノッチの数は、その日の貨物量や天候などを加味して本務機(先頭の機関車)の運転士が決めるんです」と上梓さんが解説する。

グッと重力がかかった(ような気がした)。緑一色の山中の坂道に迷い込み、汗をかきかき重い荷物を押している感覚に襲われたが、押しているのは、EF210形電気機関車だ。右に左にカーブする線路をものともせずにのぼっていく姿は、愛称の「桃太郎」そのものである。

「ノッチオフお願いします」という本務機運転士の指示を合図に「セノハチ越え」は終わった。夢のような10分間だった。八本松駅からは下り坂となり、ほどなく西条駅に着いた。

ここで補機は切り離される。どこからともなく作業員が現れ、テキパキと連結器をはずした。昔は、勾配を上りきる直前の八本松駅付近で本務機が加速するなどして連結器に生じる力を逃がし、その瞬間に連結器を自動解錠した、というからまさに神業だ。

木吉運転士が「お気をつけて」と本務機の運転士に声をかけると、「そちらもお気をつけて」との返事とともに静かに出発していった。補機は、引き込み線にいったん入った後、15時14分、単機で広島貨物ターミナル駅に向け帰途に就いた。下り坂の「セノハチ」は、実に滑らかでつい居眠りしてしまった。

第一列車はここでおしまい。明日からは、特急「しなの」のこころだぁ!

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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