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自分で設定したシチュエーションで“推し”と会話できるAIチャットアプリ「Zeta」(ゼタ)が急成長している。App StoreやGoogle Playのエンターテインメントランキングで常に上位に入り、2025年12月には日本国内だけで月間売上高が1億2000万円を超えた。2026年5月には国内ユーザー数が200万人に達したという。
開発元は韓国のスタートアップScatterLab。AIを活用した“バーチャル彼氏”アプリは既に数多く存在するが、なぜZetaだけがこれほど伸びているのか。
Zetaは「AIで作った“推しキャラ”とテキストチャットで会話できるアプリ」だ。ユーザーはキャラクターの性格や話し方、会話のシチュエーションをプロンプトで詳細に設定し、そのキャラとコミュニケーションを取ったり、自分だけの物語を紡いだりできる。キャラのビジュアルも画像生成AIで自由に作成可能だ。
最大の特徴は、キャラ設定や会話・物語の進行を極めて細かく調整できる点にある。相手となるキャラクターのプロフィール、ユーザーとの関係性、世界観を指定できるだけでなく、ナレーターの視点(一人称・二人称・三人称)、キャラがどれだけ心を開くか、物語のテンポも設定可能。文体も「恋愛心理小説」「ハードボイルド」「夜想文学」などから選択できる。
さらに、挙動を細かくコントロールする「インフォボックス」と「ロアブック」という機能もある。インフォボックスは、チャット中に作中の情報(日時、場所、キャラの体調や気分など)を表示し、項目ごとにオンオフを切り替えられる。
ロアブックは、世界観や設定をまとめたプリセットのようなもの。特定のキーワードが登場すると、その内容がAIに自動で伝達され、設定のブレを防ぐ。他のユーザーが作成したロアブックも利用可能で、文脈の一貫性を保つ仕組みだ。
これらの設定の組み合わせは「プロット」として他のユーザーと共有できる。人気プロットのランキングもあり、「男性向け」「女性向け」「総合」の3カテゴリーで確認可能。女性向けのトップでは利用数(延べ会話数とみられる)が9118万件と、男性向けトップの447万件を大きく引き離す。2024年の韓国メディア報道によれば、ユーザーの9割弱が10〜20代で、全体の65%が女性だ。
基本利用は無料だが、課金なしでは広告が表示され、チャット相手のAIもデフォルトモデルに制限される。より高度なモデルを使うには有料アイテム「ピース」(200個300円から)が必要で、1応答あたり4〜8ピースを消費する。
ピースは画像生成で高性能モデルを使う際にも必要(1回につき2〜4ピース)。月額1650円のサブスクリプションに加入すれば、応答速度の向上や広告非表示などの特典が得られる。