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先週、米国とイランの間で停戦に関する了解覚書(MOU)が署名されたが、筆者はこれを「誤解覚書」と評さざるを得ない。かくも稚拙な米国外交を目にしたのは初めてであり、今回は幾つかの疑問を提示したい。
今次戦争はイランの最高指導者暗殺で幕を開けた。これにより体制崩壊の危機に直面したイランは、核兵器取得へと本気で動く可能性が高い。過去に核を持たずに崩壊したイラク・フセイン政権と、核武装で生き残った北朝鮮の事例を見れば、その論理は明白だ。
米国の素人外交は停戦交渉の場で顕著に現れた。相手の意図を読み違え、自国の譲歩を後出しで修正する場面が目立つ。これでは交渉の主導権を握ることは難しい。
一方、イランは「後出しジャンケン」の名人と言える。交渉の最終段階で新たな要求を突きつけ、米国を揺さぶる戦術に長けている。その巧みさには舌を巻くばかりだ。
結局のところ、今回の覚書は両国の力関係や中東の安定にどのような影響を与えるのか。筆者は長期的な視点から見て、この「誤解覚書」が新たな火種を生む危険性を危惧している。