
ロシアの侵略に抗戦するウクライナ軍が戦況を好転させている。同国軍のシルスキー総司令官は8日、被占領地域の奪還が進んでいると表明。米メディアも最近、「前線でウクライナ軍が優位に立っている」とする分析や軍事専門家の評価を相次いで伝えた。背景には、ウクライナ軍が中射程ドローン(無人機)で前線後方の露軍拠点を攻撃し、露軍の前線部隊を孤立させる新戦術「兵站(へいたん)封鎖」があるとみられる。
シルスキー氏は8日、「5月に奪還した領土は喪失した領土を100平方キロ上回った。今年に入って奪還した領土は600平方キロ以上だ」とSNSで表明した。この数字はウクライナ軍が地上での攻勢を強化し、戦術的優位を確保しつつあることを示している。
さらに同氏は「軍は各地で主導権を握っている」とも強調し、東部・南部の複数前線でロシア軍に対する圧力を維持していると説明した。これにより、長期化する戦闘における士気向上にもつながっているとみられる。
新戦術「兵站封鎖」は、ドローンによる精密攻撃で前線後方の露軍の補給拠点や指揮所を破壊し、前線部隊を孤立させる戦法だ。これにより露軍の攻勢能力は低下し、ウクライナ軍が局地的な反撃に転じやすくなったと軍事専門家は分析している。
ウクライナ軍のこうした戦況改善について、西側諸国の軍事アナリストは「今後の反転攻勢に向けた重要なステップ」と評価する一方、ロシア軍が新たな戦術で対抗する可能性も指摘されており、予断を許さない状況が続いている。