t>

今や性的マイノリティの人々も結婚相談所で伴侶を探す時代となった。男性として生きることに限界を感じ、離婚を経験したトランス女性が、それでも生涯の伴侶を求めて婚活に挑む理由とは――。その現実を追った。
40代のAさんは、長年「男性」として社会生活を送ってきた。結婚し、中学生の子どもをもうけたが、自分の性自認との乖離に苦しみ続けた。「毎日が偽りの自分だった。男性として生きることに限界を感じた」と振り返る。最終的に元妻に打ち明け、離婚を選択した。
最も難しかったのは、わが子へのカミングアウトだった。「パパは実は女性として生きたいんだ」と伝えた際、子どもは混乱したが、時間をかけて理解を示してくれた。元妻も「あなたの幸せを願っている」と背中を押してくれたという。
現在、Aさんはホルモン治療を始め、女性としての生活を本格化させている。婚活を始めた理由について「一人で老後を迎えるのが怖い。誰かと人生を分かち合いたい」と語る。しかし、トランス女性としての交際は簡単ではなく、相手にどう伝えるか、いつ伝えるかが最大の壁だ。
それでもAさんは希望を捨てない。「私のことをありのまま受け入れてくれる人に出会いたい。子どももその姿を見て、多様性を自然に学んでくれると思う」と前を向く。性的マイノリティの婚活は、まだ道半ばだが、確実に社会は変わりつつある。